ブックタイトルうしぼりの文化財 民俗資料編

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概要

うしぼりの文化財 民俗資料編

昔、新原(麻生町)のんてで炉いた。大膳池の大蛇の話夫婦だったらしく二つの池を往ったり来たりしていた。雨あがりの朝など、うねうねど稲や草が倒れ伏しており、田園の見まわりや草刈りに出た人々をギヨッと立ち止らせることも度々であった。当時の大膳池は老杉巨松が天も日音〈聾え、周囲には丈をかくす篠竹がビッシリと生え茂って人をよせっけなかった。日中、f董かに;也の真中にポッンと陽が射す壮態であった。芝宿(牛堀町上戸)と牛堀(牛堀町牛堀)どに一軒づづの髪床治ずあった。或る日、芝宿の髪床の主人が独りてo大膳池へ釣りに行った。下草を踏みしき、笹薮を分けてやっど腰を下すと、いや釣れるワ釣れるワ、どうにもやりょうがない程よく釣れた。釣師の深欲、釣れれば釣れる程あとを51~、て、日が暮れるのも気づかず、浮子が見えぬようになるまで夢中で釣っていた。やっと重い魚住をかついでようやく帰って主た。男は夕飯もそこそこに牛堀の髪床にゆ主、今日の一部始終を語ってきかせた。翌日、二人は一緒に出かけたが、あにはからんや、終目池をにらんでいたが、ピクども浮子は動かなかった。「オイッ、どうしたんだお前、昨日の話は本当だったのか……」などと気まず-138-