ブックタイトルふるさと潮来 第三輯

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概要

ふるさと潮来 第三輯

K知らせ歩〈船頭の声が朝の川面にひびいて聞えてきた。あきんど旅商人K変装し、片岡常春の機智Kよって考えられ、から由さあきんどそして集められた唐傘の荷を背Kして傘売りの旅商人K化けた一行はすばやく身仕度を整えていた。信太の浦(震ク浦)を渡って高浜の津陀至る旅人達は、それぞれの船宿の女たちに送られて桟橋元を先頭Kして列をつくって、船頭の乗船の差しづを待っていた。そのときであった。静か左朝の園女川のほとりを・・・・・・。突然蹄の音をあわひ.ひかぞ慌ただしく二名の騎馬武者が砂躍を上げて乗り入れて来た。「旅の者ども日暫く乗船を待たれい日」その騎馬武者は乗馬のまく群衆に向って大音戸で叫んだ。「船頭は居らぬかH すぐζL へ参れH」あわ威だけだかに怒鳴る髭武者に呼ばれた老船頭は慌てて船より馳け上って来た。との二名の髭武者はヒラリと馬より飛び降りる左りとの老船頭に何どとかを命じるのであった。ζ の突然在る出来どとに、ただ左らぬ異様を感じ取った義経一行の亀井の六郎は、すばやく少年義経を那須兄弟K託して、傘売b商人に変装する一行と、那須兄弟の列を別々Kしてこの二人の武者の行動に深〈注意をしていた。平家の目代としてζ の常陸K君臨する佐竹一族κも、鞍馬山を脱出し、平家の目を逃れて奥州に落ちる牛若丸の探索の厳命がすで陀出されていたのである。伊勢を発って途中無事Kζ の地まで来た一行も、初めて重大な危機が到来したのであった。との二人の髭武者は桟橋元の行列の先頭Kあって、一人一人の乗船客をKらみ廻し、頭の先より爪先きK致るまでジロリと一瞥し、そして不審と思う者の荷物と身体を調べ、そのうえ、尋問に答えさせては、「よしれ」と、許可を与えた者より乗船させる厳重左調べが行われていた。一歩、そして又一歩、草の実党の若い面々も、数々の合戦や実戦の猛者も、との神経をすりへらす猛虎のあたかどとき関門をいかに突破するζ とができるか、恰かも寝ている虎の尾を踏む思いK白からの心の問を押える心地であった。-88-やがて先頭の片岡常春がその驚武者の前に進み出たそのときである・・・・。「待て日いづEhu前たちは何処から来て、いづζ何処へ参る者じゃ日」