ブックタイトルふるさと潮来 第五輯

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概要

ふるさと潮来 第五輯

飲み物が運ばれ、余興の手踊りも出る。潮時を見て上番と本家衆が連絡して下番より祭頭ばやしを上げる。乙の時、下番以外の女達は帰る。此の時当番は、下番を席を改めちゃぶ台に取り肴、鮪等で御馳走をする。下番より出迎への祭頭ばやしが来てかえる。大体三時間である。旧二月十六日乙の日は当番より大轍はじめ、御仮屋引継き品全部下番に遷す。昨日当番を上番下番を当番と呼ぴ、新しき当番主宅に議員祭神を紀りて、区長社惣代立会いで上番より当番、当番より下番へと附廻金及関係事務の引継ぎを行ふ。終ると神宮によって清めの大はらい神前に拝礼着席冷酒三献通し相の手で徳利杯で酒が出る御飯が出る。御高盛は区長社惣代が代表で行なわれる。御茶になる嫡酒三献通すと御浜焼御刺身御鮪各一皿宛神前に供える。此の時、当番の大関二人入場して上番の横綱と対座する。うたひ連も入場すると〉で社惣代は酒杯は三階杯の伺れにするか上座の万にお図りして決定する。二人が一献を乾す二献口付してうたひ「所は高砂一終ると二献目を乾し三献口付けしてうたひ「四海波」終ると三献目を乾して拭いて大関が受取る、との時横綱に対し見事見事の声が起きる。大関一献を乾し二献口付けしてうたひ「庭の砂」終ると二献目乾し三献口付けしてうたひ「玉の井」終ると三献目乾して芽出度受け取る事終る。区長の音頭で御手を借りて〆の拍手を打って平座となり宴会となる。御浜焼硯蓋盛り沢山の御馳走が出て余興の娘手踊りも出る時を見計って上番の下の万から、祭頭はやしが起る。一旦立ち文着座する。二回目の祭頭はやしで立つ此の時、千秋楽うたひで式が終る。後は提灯酒でちゃぶ台にて御刺身御鮪取り肴すし等で御馳走になる。上番の若衆が祭頭ばやしで迎へに来る。当番も上番(御客)を祭頭ばやしで送る。乙れも昔は伺固となくくりかえしたとの事であると。取り肴以上乙の祭典は、昔は十二日から十八日迄行なわれたが、七月七日の鍋かけず、乙れは当番中は家族全部当番主宅で食事をする。たまたま親戚の人迄連れて食事を共にした。酒も詰切の三本以上飲むが、酒一家でも祭事中は喧嘩口論がない、万が一喧嘩でもしたら両成敗でいづれとも其の年に凶が訪れるので、喧嘩のようすが見えたら一方的に逃げるので喧嘩にならない。このような事で祭が永く続いてきたわけである。嫁姑の仲のよい一乙まもある。それは手踊りの練習の為め姑-66-が孫の守をしたり、嫁に姑が踊りを教えたりして来て居るのである。筆者元潮来町議