ブックタイトルふるさと潮来 第六輯

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概要

ふるさと潮来 第六輯

一、金壱両壱分御能別利左衛門より上る。一、三百文道首座へ上る。但し、当住真首座御上京用金彼是取合せて新に金五拾両不足の様に相聞き候へども、御渡し申し候内弐両寺へ指置かれ候。屋根のもり候処つくろい、残り候問、御るす中繕候様にと指置かれ候。不足の処は、江戸にて御かり候様にと申し候事。但し、享保十三年巳の十月十日、開山紀の法事御仕廻し直ちに御出船、壇中大勢牛堀迄御見送り候事。利右衛門、喜右衛門も御酒など持参牛堀迄送り申し候事。いん居よりも赤飯にしめなど御舟へ入れ候事。長勝寺桐堂金初め候事一、金五両壱分寺山の杉盗人より返料取金物語りの事。一、享保九年辰の八月三日の朝、山廻りの者西山の杉枝葉大分伐りちらし之有るを見つけおどろき寺へおしらせ申し候に付、御住持を初め、納所の皆々出て後を見候処、杉の百も弐百もきられ候様に相見(本だ初刊の節と小肱}え候。当住にも先住の丹性を尽しうへ立て指置かれ候杉山をか様に(HH畢しい拶・齢起の悪い拶)あらされ候ては、自分の御あやまりの様に思召し、御あぐみ成られ候へども、指置かれがたく壇中へおしらせ成られ候問、皆々打寄り本数改め見候へば、本木七姶六本、ふとさ七・八寸止り、所は於里より大塚野へ行抜けの道より右の刀、先年、山の内を供天和尚弐・「しん}三年畑につくらせ、其後杉をうえ立て候ゆへ随分心よく成長致したる処也。惣して、前々山の内にて二本三本づっ杉をも伐りとられ当よ(き勺と)住、気のどくに思召し候へども、致方之なく候。能きついでに候間急度せんさくをも成され度く思召し候段、御尤と皆々存じ候故、壇中、門前の者を指添へ三・四人づっ手わけをして当村は申すに及ばず、新嶋の内を八月三日・四日・五日迄尋ねさせ候へども、其行方知れ申さず候。その以後も方々と心を付けさせ候へども見へず候。一、八月廿五・六日方の沙汰には扇子嶋の内に寺山の杉ににたる杉見候者之有る由に付き、門前の長八甚八両人廿七日に扇嶋へ遣わし候へば、与惣兵衛と申者の門におだにゆふて之有る杉十九本ほど寺山ととのの杉の木筋によく以候問、両人立寄り此杉何方より調へ候などいろいろ尋ね候へども、いろいろ云まかい口配る事之なく候。同廿八日に右の様子寺より御知らせ候問、又々寄合相談の上、同日関口平五郎長十郎、門前長八三人を扇子嶋へ遣し、いろいろ尋ね候へども、(銚f)与惣兵衛売人を申さず候。達って申し候へば、丁子村にて調へなど申して、坪明き申さずに付き、長八作意にて、右の杉を五本明朝迄かり申度候。明朝は急度返し申す可く候と申して、杉五本かり持参致し返り候。壇中も其儀心元なく存じ、又々寺へ打寄り候へば、三人右の通り申し候事。然るに本をばとげ候て、伐りUへ合かね候へ-47-ども、きり捨て候うら木皆々まとい置き候由に候問、取りょせあわせ見候へば、五本ながら、うら木なたの切口ひしと会い申し候。壱本は虫くい節をかけて切りし庇迄ひしとあい申し候に付き、時刻をのばし候ては、いかがと、其夜中、平五郎、長十郎、長平衛を相添へ、三人与惣兵衛方へ遣し候。今度は先の者も大切処に候問、遣し候品も之有る可きゃと、後より根本長左衛門鬼沢又右衛門、門前清兵衛三人を見届人と遣し候。然らば先づ三人の者ども参り候へば、