ブックタイトル潮来の昔話と伝説

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概要

潮来の昔話と伝説

和尚さんの鼠経昔々、ある所の小高い山の上にお寺があってさ、真白な長い顎煮のお尚さんと二人の小坊主が住んでおってさ、朝晩下の集落の家々にボlンボlンと刻を告げる大きな鐘を撞いておったとさ。ある日のこと下からお婆さんが杖をついて、どっこいしょどっこいしょと坂道を登ってお寺に来て、「明日はお爺さんの法事をするので、お経を上げてくらっしゃれ、お尚さんの好きなどぶろくを沢山作って待っているからハイ頼みます」、帰っていきました。常々お尚さんは二人の小坊主に、「水戸の殿様はな、H 烏鳴く人は雀と起き出し膿て身上は日の出なるらんu 、とお諭しになられていらっしゃる、お前達の撞く鐘が村の人々のお役に立つている有難いことではないか、怠るではないぞよ」、といい聞かせて鐘を撞かせていました。の鐘が村中に響いて朝となり、お尚さんは小坊主一人を連れて山を下り、お婆さんの家に行きました。約束通りお婆さんは、死んだお爺さんも大好きであったどぶろくを造って待っていました。早速お尚さんに差上げると、大喜びのお尚さん好い機嫌になり、仏様にお線香を上げ恭しく礼拝し、いざ読経となると何とお経が出て来ないのです。どう頭を捻っても一言も出ない。お辞儀ばかりしていますと、仏壇の壁の穴から鼠が顔を出し、様子を見ては引込み、また出て来ては辺りを見廻し、と繰り返している中に、今度はそろそろとお供物の方へと行くのを見ていたお尚さん、「おんちょろちょろ、またちょろちょろ、穴をくぐってそわかl」。と拝み出すと、小坊主が「お尚さんもっともだlもつもだl」。ポクポクポクト木魚を叩き出しましたとさ。(延方)そ-90-