ブックタイトル潮来町史

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概要

潮来町史

第二章生物第一節動物鹿行地区は海岸線から内陸部にかけて、平野と丘陵部動物相の概要が交互に分布する平坦な地で、東は太平洋の波に洗われ、西は霞ヶ浦、南は利根川、北は潤沼に挟まれた、陸の孤島といわれた地域である。その影響のもとに、暖地性の植物に恵まれそれを食草とする暖地性の昆虫の比較的多いところである。海岸線における、アオスジアゲハの数にいたっては、県下随一である。またその分布は、食草であるタブの分布と一致している。鹿行地区は本県の山地の地域に比較して、全般に地形的にも、動物相全体からみても、平凡かっ単調の感を免れないが反面それだけに残された自然の重要性が増してくる。物各地に残された社寺林ゃ、自然林に近い斜面の森を大切にし、そこを住処として残されている動物相の保護に努めなければならない。生かつて行方郡の台地やその周辺に分布する池には貴重な水生昆虫がい第2章た。たとえば、タイコウチ、ほか数ミズカマキリ、ヒメミズカマキリ、種。そして池周辺の湿地には食虫植物も豊かで、人の手に汚されない自然の姿がみられた。また周辺の山林にはタヌキ、リス、ノウサギなどのけものも生息していた。しかし現在このあたりは、ゴルフ場や宅地等開発の波に乗って大きく様変わりしているが}れらの池は可能なかぎり残しておきたい貴重な自然である。関東平野の湖沼に見られる水生動物の種類や数が比較潮来町付近の動物相の特色的よく保存されている。両生・は虫類では、アマガエル、アカガエルなどカエル類の個体数が多く、イモリの生息する池などもある。またニホンヤモリが住宅地の家屋に見られ安定した生活環境であること。魚類においては、繁殖に適した広い水域があり、在来種ばかりか移植(外来)魚類も繁殖しており、魚相にいちじるしい転換が生じつつある。見虫類では、台地に残された里山的な自然の中で、各種の蝶類が生息しており、水域を幼虫の生活環境とするトンボ類にあっては低地湖沼産のものが多い。中でも利恨川水系に分布が限られるオオモノサシトンポゃ、暖地性のアオモンイトトンボなど特色ある種がみられる。鳥類では、カモ類の越冬の南限水域として北浦の意義コハクチョウ、は大きい。また各種の渡り鳥の休憩地としても町の台地上の森林は価値が吉岡い。利根川水系にまたがる潮来町は、挺水植物(ヨシ、マコモ等)が繁茂し33