ブックタイトル潮来町史

ページ
550/1018

このページは 潮来町史 の電子ブックに掲載されている550ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

潮来町史

代(『茨城県史一授がさらに拡大するのを市町村編血』より再引用)とあり、538現防ぐため今泉を逮捕したと述べている。近地租改正の反対一授ということでは、真壁郡と那珂郡で明治九年に起Vこった大農民一授が全国的に注目された。しかし維新聞もない時期には、延方の例ばかりでなく、村役人の不正に抗議する騒動や一撲などが、局地的に発生しているのである。維新変革期という大きな歴史のうねりは、地租改正に反対する広域の大一撲に農民を巻きこんだばかりでなく、狭い地域の農民をも、一撲に巻きこまずにはおかなかった。そして、二重谷の農民もこのうねりと無縁ではなかった。今泉を捕縛した中山は静岡県士族、のちに新治県と合併して成立した茨城県権令(知事)となるが、真壁、那岡の農民一撲での対応のまずさを答められ免官、その三年後に長野県小書記官になるが、以後明治三十三年に捜するまで、行状は不明である。他方今泉覚次郎は明治二十六年三月、推されて延方村長になり、治水事業に心を注いだという。さきの『郷土考』によれば、「明治三十二年十二月三日偶々二竪(病魔のこと)の為め現職中に発る行年五十六歳挙村哀慕慈父の喪に服するが如く、村葬の礼を以て之れに報し」たという。