ブックタイトル潮来町史

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概要

潮来町史

代ばこ、綿と生活に必要なものは、ほとんど自給分でまかなえた。現このような生産物調査が、必ずしも政策立案に有効であるとは認めら近れなかったためか、明治五年、明治六年と年毎に調査方法の変更が指令Vされている。明治五年の調査には物産の数量ならびに価格が不明瞭のきらいがあるとして書式雛形に物品の多寡、元価などが加えられたし、明治六年に「自用費消」「他国輸出」の区分は廃止された。そして明治七年七月に府県に布達された物産表の作成要領が決定的であったとみてよい(内務省甲第十八号)。右の布達は前文で、つぎのようにいっている。地方物産取調ノ儀ハ最モ経国ノ要務ニシテ既一一大蔵省布達ノ旨モ有之候処猶今般本省布達相成候儀ハ抑物産ノ多寡ヲ詳ニシ人口ノ増減ヲ明ニシテ以テ地方ノ盛衰ヲ量リ盛ナルモノハ之ヲ賛成シ衰ルモノハ之ヲ挽回シ適宜ノ処分可致ハ素ヨリ当然ノ要務ニ候処右物産取調ノ旨趣ハ貫徹致サス却テ税額ノ増減ニモ関渉致スヘキナド無謂忌疑ヲ抱キ取調方不都合ヲ醸シ候向モ有之哉-一相聞へ以ノ外ノ儀ニテ如此上下手数ヲ費シ候ハ第皇国物産ノ全量ヲ表シ漸次富鏡ノ実ヲ験シニニハ各地方ノ盛衰ヲ詳ニシ三ニハ年々歳々各府県物産ノ多寡ヲ比較シ人民ノ勉否ヲ照考シ四ニハ各地諸物ノ有無ヲ通知シ貿易ノ標目迄総テ一目瞭然ノ表式ヲ編製シ歳次公告相成ルヘキノ要具一一候得ハ各府県-一於テモ右等ノ旨趣ヲ以テ管内限リ各郡各区ヲ分チ適宜ノ物産ヲ編製年か盛衰ノ比較ヲ詳明御告示相成区内各戸互-一不相劣競テ生産ノ増殖ヲ勉メ候様厚御説諭実際取調往キ届キ産物価格モ布達ノ通年々遅滞ナク差出相成候様致シ度此段更-一申入候也右にみるように、皇国日本の物産の全量を量り、地方の盛衰をはっきりさせ、人民の勤勉怠惰をはかり、さらに貿易のさいの目標まで立案できるばかりでなく一目瞭然の表を編製して毎年公表するという結構づ564くしの物産調査ではあるが、地方での受けは芳くないようである。調査は税額の増加を招くといういわれのない疑いをかけられたためで、もつての外であるといっている。さきの物産調査では、度量衡に不統一がめだったため、つぎに見るような「物産調査凡例緒言」によって、数量を統一的に把握しようとして、!〉。、uw gd-夫物産各種ノ尺度数量ノ名称ハ其地一一因テ其称ヲ異ニシ某地-一テ何枚ト唱フルモノ某ノ地一一テ何丸何巻ト云ヒ或ハ何石何升ト唱フルモノ何駄何貫ト称ス如此種類少カラス全国生産物品ノ数量ヲ計算シ其地ノ通価ヲ較量スルニ至リ計算シカタキモノ彩多アリ然リト雛トモ今俄-一之レヲ普通ノ数量-一換へ難キハ勿論動モスレハ虚称ノ弊ヲ免レス故ニ当分斤束及ヒ疋反箱等都テ数称-一拘ハルモノハ各地方現今実際ノ数称ヲ以テ記載シ仮令ハ壱斤此量何百日文ハ壱駄此量幾箇或ハ幾貫目幾枚ト云ノ類ノ如ク必ス量数ヲ附記シ物品中品位ノ精粗良悪ニ因テ価格大ニ違フモノハ同品中之ヲ二三等-一区分シ其品位一一従テ元価ノ適当ヲ得総計類纂ニ便ナラシムルヲ要ス元価ハ総テ金貨-一換算シ記載スへシ各物産ノ価ハ毎月時価ヲ調へ之ヲ一ヶ年-一平均シテ記載スへシ右のように、全国の生産物について度量衡を一律に統一するのは、現段階では無理があり、強行すれば虚偽の数字を生むことになる。そこで、現在各地方で実際に用いられている数称を記載することにしたという。ただし量数は必ず付記することを求めている。また、同一物品でも精粗良悪によって価格が大きく異なる場合は、二、三等に区分して、計出するよう求めている。