ブックタイトル潮来町史
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潮来町史
境環然自裏山の土砂崩れを防ぐため、植えたと考えられる樹木によって斜面の森46県指定天然記念物潮来の大ケヤキ林は構成されている。大樹に成長しているものにはシイが最も多い。V」の木は常緑広葉樹としてその材は建築ではよく土台に使われるほど丈夫で、木の寿命も長い。斜面に深く根をおろし、縦横に枝を伸ばして、うっそうと茂る様は壮観である。層を成して丸まると茂るシイが次つぎと枝葉を連ね、深い緑で斜面を被い尽す様は豊かな自然の姿そのものである。斜面の大樹としては他にタブノキケヤキツバキが目につく。それに混ってスギモウソウチク、マダケなどの林が見られるのはそこに住第1-12図む人びとが土砂崩れ防止や、防風のため屋敷やそのまわりに植えたものの様である。潮来町で斜面の森がよく発達しているのは北浦側で、大賀から水原にかけてである。潮来地区では素鷲熊野神社の森がその代表である。後者については社寺林の項で取り上げているのでここでは、大賀、水原について記す。大生神社の大スギ北浦側の斜面は図に示したとおり高さ二五メートル以下低地部まで急に落ちこんだ急斜面が多い。それは昔台地部が削られてできた谷状の低地の周辺に発達している。}の様に入りくんだ低地は現在水田として利用されている所が多く、大賀、大生、釜谷、水原などにみられる。の様な低湿地を前に斜面に寄り添う様に斜面を背にした南向きの民家が多第1-13図くみられる。北西からの季節風や北浦からの風をよける様に植えられた木々に固まれている。大賀坂付近の植生をみると、シイが優占しタブスギケヤキがこれに次ぎ、植栽されたものにスギ、ヒノキ、そして竹林がある。高木の下にはツバキ、モチノキ等が生育しそれにキヅタ、シロダモ、アオキ、