ブックタイトル潮来町史

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概要

潮来町史

明治末・大正期の潮来地方第2章11葬儀は総て勉て厳粛なる式典の下に質素を旨とし手伝は執行当日限りとなす事但翌日に百一り仏立と称する振舞をなさざる事1312年忌供養は身分に応じ質素を旨とし引物配物等をなさピる事婚礼式は質素を旨とし親族以外濫りに人を招かずEつ組合の手伝を廃する事1514徴兵適齢者に対し見舞贈物等は一切廃止する事徴兵入営及び帰郷兵の送迎式は神酒のみに止むる事但戦時は此の隈りにあらず10公会私会を聞はず諸会合は指定時間十五分前に必ず参集すると3信用組合の組織我村主要の業務は農業なり統計調査の示す処によれば全戸数の七割強を占む故に斯業盛なれば我村栄へ斯業衰ふれば我村衰ふ斯業の消長は村の興交に繋る市して農業中にあって最も必須なるものは肥料なり一ヶ年之れが消費する金額は壱万壱千参百六拾参円参拾六銭を要し内生産額は六千百六円七拾九銭にして差引五千六百五拾六円五拾七銭は他より輸入するものに係る今其購入方を見るに資金乏しき為め或る者は高利の借入をなすものあり或る者は高価なる現物を借入るLものあり其不利益実に莫大なるものあり此等借入に係る金を今仮に購入額の半額即ち弐千六百弐拾八円と見積一ヶ年壱割五分の利子を付するとすれば参百九拾四円弐拾銭を要し之れを信用組合を設け低利資金を融通し此の年利金六分と見れば実に年弐百参拾六円五拾弐銭(五O年後年四朱五厘の利子を付し積算金四万四千参百五拾五円八拾参銭七厘)の利益を見る加之ならず是れが為め普く肥料の施用に注意せしむれば生産力を増大ならしめ且つ一面蓄積の法を設くれば其利益誠に砂少なら‘ざるなり4子弟の教育と青年指導夫れ教育は国民を造成し産業を隆昌ならしむるの子弟の教育源泉にして殊に普通教育の普及完備は町村自治の活動と根底とを堅実ならしむる上に於て最も緊要のことなり熟ら吾村教育の情況を見るに周致なる注意を以て内外相侍り主ら形式的の改善に伴ひ進んで実質的刷新に努め来りたる結果は近時着々効果の見るべきものあるに至りたりと難も世運の進捗は日と共に新なるものなれば宜しく世局に鑑み常に改善の方途を講せぎるぺからざるなり今其の刷新すべき一二を言わしめば高等科の併置には最も注意を払わざるべからざる事なり従来本村の尋常卒業の過半が他町村の小学校に通学し居るに於ては大ひに考慮を要する所たるぺし抑村には村自然の美俗良習の存するものなれば取を以て教化の資となさば後継者に対して益淳良なる美俗を養ひEつ助長せしむるを得ぺきなり故に断然区々たる地方的情弊を去り二校を併合し完全なる教育を施すの勝れるは既に識者の唱導する所なり今此に高等科を併置するの要は唯子弟の教育程度を高むるの事たるに止まらず経費の負担に至っても現在の維持費を以て事ら増費を認めざるに於ては尚ほ将来の維持経営上最大の良案たるにあらすや斯の如くして農村適材の子弟を教養し得は永遠の福利を増進するに足らん今や教育を事心とせる諸種の事業齢なからさる時に当り殊に其の標目たる中心を一となさは指導誘披の点に於て極めて至便なるものあり故に時の宜しきを見て二校を併合し高等科を設置するには尤も適切なる処置な609