ブックタイトル潮来町史
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潮来町史
代現近増収の歩合に応じ小作料を増額するも小作人に於てせし時は大抵据置期間を付し期明に至り増額するを例とすV【小作地ヲ売買シタル時新旧地主ト小作人トノ関係】[大生原村]小作地ヲ売買シ地主ニ異同ヲ生シタル場合ニハ新地主ト小作人ニ於テ協議シテ新タニ小作ノ契約ヲナスヲ通例トス[延方村]小作地ヲ売買シタルトキハ旧地主ヨリ新地主及小作人ニ交渉シ依然耕作スルモノ多シ然レトモ場合ニヨリテハ新地主-一返地スルモノアリ[津知村]小作地を売買したるときは旧地主或は小作人より新地主に交渉し依然耕作するもの多けれども場合により返地するものあり【作物ノ制限】[大生原村]作物ハ水田ニアリテハ従来ハ種類モ十数種三Eリテ栽培セシカ近来ハ県訓令-一基キ晩稲ヲ廃止シ一般一一早中稲ノ栽培ヲ励行セリ麦作ニ於ケルモ亦然リ殆ント種類ヲ一定シ九合穂揃関取資撰富国等ノ如キモノヲ栽培ス[延方村]作付ニ付テハ桑園果樹園等ヲ除クノ外総テ制限スルコトナシノ[津知村]作物に付ては制限するものを見ず【小作人奨励及保護方法】[大生原村]小作人ノ奨励及保護ニ付テハ地主会ヲ設立シ地主ト小作人トノ親睦ヲ計リ益々小作者一一対スル保護方法ヲ講セントス[延方村]小作証ハ私書証書ニシテ公正証書ニヨルモノナシ信用アル小作人ハ証書ヲ徴セズ小作人奨励及保護方法一一至リテハ何等定マリタル規定ナシト難モ自然保護ヲ与フルモノ、如シ[津知村]小作人奨励及保護は未だ何等方法の設けなし618【地主ト小作人間ノ交誼及紛議有無】[大生原村]地主ハ重一一本村住民ニ受作セシムルカ故-一表面上ノ交誼ハ至極円滑ナルカ知クニ見ユレトモ裏面ヨリ観察スル時ハ地主ハ小作人ニ対シ徳義上多少ノ欠点アルモノ、如シ即チ民費多端ノ今日ニ於テハ小作人ハ資本一一窮シ肥料購入等ニ差支フルニモ拘ハラス是レカ資本ヲ貸付クルカ如キコトナク唯タニ傍観シッ、ァル有様ナレパ小作人側ヨリ見レパ地主一一対シテモ亦多少ノ非難ナキニアラズト雛モ両者間ハ主位ノ如キ関係ヲ有スルカ故ニ今ニ大ナル紛議等アラサルナリ[延方村]地主ト小作人トノ間親子ノ如ク密切ノ関係ヲ有スルヲ以テ地主ハ小作人ヲ愛シ小作人は地主ヲ頼リ交誼深厚ニシテ相互ノ間ニ紛議等ヲ惹起スル如キナシ[津知村]地主小作人聞は交誼親密にして不調和を見5れども誌に小作者を戒めざるべからざる一の弊風生ぜんとする傾きあり他なし近来小作者に於て自作米を粗悪米と交換し納むることなり斯の如きは将来地主小作間に不調和を生ずるの匡たらざるを得ざるを以て之を矯正するの法を講ずるは今日の急務なりと信ずこのような「生産関係」における静誼性は、近代潮来町域の特徴のひとつであるが、その背景には近代日本における農村の特色である「名望家支配」という事実がある。近代日本の資本主義発展下における農村の特色は、その名望家支配出発点において旧来の農村社会の解体が行われず、古い共同体的秩序が維持温存されて、重要な社会的役割をうけもったというところにある。いわば「名望家支配」ともい)こでは、