ブックタイトル潮来町史
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潮来町史
代若干の商人層を除いて、前述した「在村地主層」にほかならない。そし現この階層から村長、助役、郡会議員、県会議員、また産業組合長、て、近農会長、耕地整理組合長、さらに学務委員などが輩出し、町村のあらゆVる面における指導的役割を果たしたのである。以上のような事実をさらに詳細にみるために作成したものが第vm表である。これは、明治二十年代のなかばに茨城県内全域にわたって調査、出版された「名家揃」から作成したものである。掲載した人名は「名家揃」によったがリストアップの基準は次のように記されている。即ち、「:::其町村に於て中流以上に地位を占め現在選挙若くは推薦の公職に登り又は将来登るべき輿望ある者、或は商工農業者にして著名なる者、並に弁護士医士教育家神宮僧侶其他百般の実業家諸君の、住所姓名族籍生年月農商工種目及び其人の帯ぶる肩書有する学芸技術屋号名称其他地租額所得税額商金高等を記載し・・・・・・氏名記載順は予等が材料蒐集の順に従ひ敢て前後を別たず其俵之れを記載したり、看者乞ふ記載の前後を以て人士の階級富力の程度を論ずる勿れ:::名誉上帯ぶる肩書地租額所得税額商金高等は其年月を経るに随ひ異動を生ずるは数の免かれざる所故に本書が唯材料蒐集時の現在を附し其金額の大要を聞査し得ざるものは之れを未詳と記したり」(明治二十六年五月『一市三郡名家揃』)。こにリストアップされた潮来町二九人、津知村二二人、延万村一一人、大生原村四二人、計九五人のすべてが「名望家」とも限らないし、また「名望家」であってもなんらかの事情で掲載されなかった場合もあったかもしれないが}の表から明治中期における潮来町域の「名望家支配」の具体的な姿が浮び上がってこよう。明治1昭和前期の潮来町域では、以上にのぺた名望家による指導的役割にゆるぎを生ずることがなかった。大正末期から昭和前期にかけて全国的に発生し、農村社会の秩序維持の根幹である「名望家支配」地622主制」をゆるがした小作争議の発生もなかった。潮来町域の近代の歩みのなかで、農村内部には静態的な「名望家支配」が続いたのである。v}