ブックタイトル潮来町史

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概要

潮来町史

代県西の農民は一三三七貫も収穫したといわれる。昭和二十年のサツマイ現モの平均反収二五八貫と比較すれば、多収量のすごさが推測できるであろAノ。近茨城一号は頑として「美味しい」調理法も処理法も拒絶し、誰も名案Vを案出できなかった。したがって飢えた消費地であっても、歓迎されるはずがなかった。茨城軍政部のスチュア1ト中尉は、昭和二十三年十一月の月例軍政活動報告書に記した。「今月のサツマイモ供出は大成功を収め、割当量を上回った。しかしながら本年作付けたサツマイモの品種は、消費地で望むものでなかった。}のために必需食糧であるサツマイモの出荷が消費地で拒否される結果を招いている。多量のサツマイモは、澱粉ならびにアルコール用に処分された」。この事態に対し、農林省は「不評の茨一主食から除外」を決定する。農林省では来年の事前割当を目前に控えて問題になっているサツマ芋茨城一号を供出食としては認めないと茨一作付に対して禁止的な措置をとることが判ったので、県当局では本県二十万農家の経済の破滅だと事態を重大視し早急に対策をたてることになった、農林省のこの措置は十三、十四日上京した林田農林部長に対して食料管理局が明らかにしたものである(「いはらきL昭和二十三年十一月十六日)茨城軍政部の報告書が影響したわけではないであろうが、供出農家にとっては重大問題である。しばらく農林省のいい分を聞いてみよう。管理局ではて茨城一号を供出から除外する二、二合七勺の増配は本年のサツマの作付面積を基準にしたものであるから本県の二万八千町歩の作付面積は明年も維持し農林系などの優良品種に転換させる三、種イモについては自県供給を原則とし足りない分は千葉県その720他から斡旋する四、他の品種に転換することによって当然問題になる反収減はある程度まで事前割当において認める(同前)というのである。茨城一号を供出食糧として認めないとして、昭和二十三年に、茨城県で供出される甘藷を計算に入れて出された米に換算して成人一人当り二合七勺という配給量は維持しなければならないので、茨城県の甘藷作付面積二万八OOO町には、農林系の甘藷を作付させるという。しかし、さきにみたように、行方郡だけで内輪に見積っても三O万買を超える種いもについては、自県で調達することにし、不足分は千葉県ほかに斡旋するといい、収穫量の少ない品種を栽培して予想される収穫減については、後日協議して供出割当を決定するという。)れに対して県では「事実上供出用としてつくられている茨一の禁止的処置は、農家経営を根本からゆるがすものとして重視し、近く生産農家の代表から意見をきくことになっているが」、せめて澱粉、アルコール、酒などの工業用として認めさせたいという。昭和二十三年の調査では、甘藷作付面積が二万八四八三町で、このAノちの八OOO町に茨城一号が作付けられている。甘藷の供出割当は六八一一万八OOO買であるが、そのうち大部分は茨城一号であるといわれる。新聞は、これほど茨城一号が供出される背景を探ってつぎのように、-B,。、u v--収穫量が多いので農家は好んで作付しているが問題は公表反収と実収との聞きである、公表が反収四九八貰に対して実収は一千貫以上もありこの差が農家をうるおしているといわれている、県では主食