ブックタイトル潮来町史
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潮来町史
あるが、町村合併促進法の規定に基いて設置された。三六五もの市町村を集合離散させるためには、擬制的にせよ、審議会を設置して、民主的に運営する必要があった。第二は、「市となるべき要件に関する条例」である。昭和二十三年に定められた「市となるべき要件に関する条例」の全部を自治庁が定めた市制施行協議基準に適合するよう改正するというもので、市となるべき要件が盛られている。行方郡内では、市制をとった町村はないので、詳細は省略する。第三は、町制をとることが多かった行方郡内の町村に密接にかかわる「町となるべき要件に関する条例の特例に関する条例」である。昭和二十三年の茨城県条例第四十二号「町となるべき要件に関する条例」に特例を設けるというのである。昭和二十三年の条例について、新聞はつぎのようにいう(同前)。昭和廿三年設定された町となるぺき要件に関する県条例では町の要件として1中心となる連たん区域内の戸数が全戸数の六割以上2商工業等の業態人口が全人口の六割以上3商工業等が最近五ヵ年間増加の傾向にあること等を規定しているが、」れらの規定が町村合併促進法による町村合併の場合に適用されるとなると、これまで町であったものが村と合併することになって町としての要件を欠く結果潮来町の誕生となる場合が生ずるので町村合併を積極的に推進するためには本県のように弱小町村の多いところでは、特例を設けて条件を緩和する必要があるので左の特例を設けたものである。右にみられるように、昭和二十三年の条例は、すでに前年四月に地方第4章自治法が公布されているとはいえ、村の町への移行を抑止する働きをしていたとみられる。}こで想起されるのが、昭和二十二年にみられた自治体警察設置市町村の調査である。占領政策が広く展開していた当時に公布された警察法では、「市及び人口五千人以上の市街的町村は、そoコ区域内において警察を維持し、法律及び秩序の執行の責に任ずる」とあった。ここでいわゆる市街的町村の認定は、必ずしも容易なことではなかったが、昭和二十二年末をもって解体された内務省の内規では、中心市街地における連たん戸数、すなわち軒を連ねている戸数が全戸数の三五パ1セント以上、あるいは商工業など都市的業態の戸数が三五パーセント以上の町村には自治体警察が置かれることになっていた。もちろん旧潮来町にも、第一節でみたように、自治体警察署が誕生したのであるが、警察法のいう市街的町村は、県条例のいう町となるべき要件よりもはるかにゆるやかであった。町となるべき要件に関する条例の特例について、新聞はつぎのように、ー。、u w-白町村合併促進法(昭和二十八年法律第二百五十八号)の規定に基き、二以上の町村を廃し、その区域の全部又は一部をもって一の町を置こうとする場合において、当該関係市町村のうちに町を含むときは、町となるべき要件に関する条例(昭和二十三年茨城県条例第四十二号)の規定にかかわらず、町となるべき要件をそなえているものとみなす特例は、昭和二十三年の条例が規定した市となるべき要件を上回るはげしさで町となるべき要件を認めている。したがって、どのような小規模な町が、どのような小規模な村と合併しようとも、町としての要件は備わっているとみてもよかった。761