ブックタイトル潮来町史
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潮来町史
営への傾斜を強めていく。町の広報では、「一O年後の農業は」として、「米作りの近代化を図るために補助事業を実施する」と報じている(以下「広報いたこ第四四号」昭和四十三年八月十五日による)。」こでは、大胆にも一O年後の農業の姿を予想するのであるが、専業農家と兼業農家への分化がすすみ、「中途半端な不安定兼業農家といったものは成り立ち難くなるであろう」と予測する。他方専業農家は「数においても現在よりもかなり少なくなるにしても、それは意欲に満ちた近代的な企業的性格を持った、たくましい自立経営農家となるであろう」とみる。零細な経営規模のゆえに、農業外の兼業労働に従事する農家は問題外である。「他産業に結びつき、経済的には安定したいわば片手間経営、半腰経営ともいうべき兼業農家が、たとえ、数的に多くなっても」日本農家の本流はこの新しい企業的性格をもっ自立経営農家であるとする。企業的自立経営農家は、大型農機具を導入した資本構成の高い「高位生産性農家」でなければならない。そして昭和田十三年から三か年計画ですすめられるはずの町の農業構造改善計画のあらましをつぎのように要約して、i30、hwψ4勺町の農業の中心である米作りの近代化を図り、省力された労力を他の部門に指向して農家所得の向上を図ろうとしています。現在米作りに一0アール当り約一三八時間要している労力を大型農機具利用変わる潮来地方による作業体系を確立して約四八時間にしようとするものです。の為に導入される農機具及び施設は大型トラクター四台、コンパイン一ニム口、ライスセンター(籾乾燥調整施設)一ヶ所です。この施設で処理出来る面積は延方干拓地程度ですが、町としてはこの施設をモ第5章デルにして今後町全体の農業改善を推進しようと計画しています。昭和三十六年から始めた農業構造改善対策事業は昭和四十二年度地域指定をもって終りますが、国としては次期対策を考えていますので、町としてはその次期対策に重点をおいて町全体の農業構造改善計画を樹立する考えです。次期対策を推進するために今年施設するライスセンターコンバインは農家の皆さんに実際に体験していただく重要なものですから国の補助金に町費を上積みして助成することにしました。右によれば、大型機械の導入により、労力をほぼ三分の一に節減し、兼業労働に従事して農家所得の向上を図ったとも読めなくはない。一O年後の農業のパラ色の夢は、かならずしも実現されたとはいえなぃ。夢をみた九年後の「広報いたこ」は、その一面で「あすの農家の担い手育成に結婚相談所開設」と報じている(第=天号昭和五十二年五月二十五日)。去る三月十日、潮来町農業委員会農政部会において、現在、積極的に取り組むべき問題についての会議が開催され、本町においても今後の課題として、特に農業の担い手をつくる「農業後継者育成」、そのためには「花嫁・花婿」の確保に重点的な対策を講じなければならないという考え方がまとまり、同月十六日の定例農業委員会に提案した結果、委員全員が農家の花嫁、花婿の不足を解消することに重点施策として推進して行くことを誓い合い、「潮来町農業後継そ者結婚相談員」となって発足することに決まりました。さらに農業経営、技術的指導にあたるとともに、また誰もが魅力のある経営に従事するよう活動を積極的に進めてまいります。農業の担い手に嫁や婿が来なくては、近代化も「高位生産性農家」も達成されるはずはない。農業委員全員が「農業経営、技術的指導」に優先して、嫁さがし、婿さがしに奔走するのは異常であろうが、それだけ779