ブックタイトル潮来町史
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潮来町史
第二章人生儀礼第一節妊娠と出産人が生まれてから死に至るまでもっとひろくは妊娠人生儀礼とはしてから葬送・供養におよぶまで、さまざまな節目があり儀礼がともなう。おそらく原始古代から行われてきた人の一生における重要な問題である。」うした人の一生にかかわる家や社会生活の伝承や行事を、人生儀礼、通過儀礼としてとりあつかっている。人生儀礼もまた年中行事と同じように、その時代の情勢や家庭・社会生活、信仰などの影響で変化を‘つけることが多く、個々の儀礼等をその推移を含めて記述するとなると、その作業は簡単ではない。この章では、潮来地方で行われている人生儀礼の一般的なあり方を叙述するとともに、他の地方と比較して特色のあるものは、できるだけ重ネL視して記述したいと思う。儀妊娠のことをミオモ(身重)という。また妊婦とも生妊娠と安産祈願一方不妊の人をコモタヅ(子持ず)、子なしと、}OB:、h v ' e人いっている。妊娠の祈願は、ところの二十三夜尊ま第2章たは観世音である。妊娠すると自分からは話すこともせず、周囲の人や姑が食ぺ物のかわり様などから、「モッタ」のではないかといわれ、産婆に診てもらって確かめた。ツワリの重い人は実家へ戻って静養する(潮来)。妊娠すると水原の観音様、辻の二十三夜様から、供米と安産ろうそくをいただいてくる(延方)。妊娠五か月に入った犬の臼を選び、産婆さんさらしにきてもらい、晒一丈を腹に巻いてもらう。犬の日のわけは、犬のお産は軽いからといわれている。観音講の人びとが安産祈願をしたお守りをもって家にきて無事出産できるように集会祈願する。このときのろうそくは夜半まで灯し、短くなったものをもらっておく(潮来)。五か月目の犬の日に腹帯を巻くのは一般的で、上棟式にあげられた五色旗の一本をもらって巻く例(徳島)や、嫁の実家の両親が赤白の岩田帯をもってくるところもあり(潮来)、現在では薬局で妊婦帯二組を買うこともある。出産が近くなる頃、中・老年の女性による二十三夜講、観音講、淡島講など講中の人びとを家にきてもらいシンジンマチといって安産祈願をする。徳島では淡島講で、淡島様を「産の神」とし、}の席には実家の母親も出席する。料理、引出物が用意され、盛大な宴が行われる。大生原では、はじめて子供が生まれるときシンジンマチを行う。ご飯(混ぜご飯、赤飯)を神様へ供え、一升桝を箸一本で叩きながら、岡の観音様847おんあろりやきやそわか