ブックタイトル潮来町史

ページ
860/1018

このページは 潮来町史 の電子ブックに掲載されている860ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

潮来町史

俗民VI下の観音様おんはらだはんどめいしんたまにじんばらわ治〉三夜様おんさんさんさくそわか便所の神様おんしりまりまわりまりしりそわか第の神様なむほうきの神様どうろく神様おんどろそじんそわか家の神様なむてんしようこうたいじんぐうと三回ずつ拝む。)れは当家や近所の人と夜行う。集まる人びとは茶菓子(現在はお金)を持参、混ぜご飯、赤飯などをよばれ、当家では、子供が軽くできるようにと、ふし(鰹節)などを引出物とする。のり、大生では、こうした安産祈願にタスキを奉納する。妊婦が男の子が欲しいときは赤いタスキ、女の子が欲しいときは青タスキを借り、腹帯の中に入れる。無事出産したときは赤か青のタスキ二本を奉納する。またうんそ観音講では次の「延命院観音経」が請される。848安産祈願のタスキ〔大生延命院〕観世音、南無仏、与仏、有国与仏、有縁仏法、僧縁常楽、我浄、朝念、観世音、暮念、観世音、念念従心起、念念不離心、帰命頂礼ゆかり芦原の瑞穂の国は常陸なる、鹿島の宮、由縁ある、住には安き、大生の郷、延命院におわします抑々由来を尋ねれば、行基菩薩の御作で、最も尊き御姿、大慈大悲の深いこと、観音菩薩に如くはなし、まして南無や大非の観世音VI-26図女の身のさわり、けがれ不浄の定めなく、たとい不浄のある人も、(ず)(ず)絶ゆまつ菩薩を念つれば、難産とでは更になく、母諸共に延命で、いづ不足の乳もわき出る。無辺の功徳そなわりて、大安楽の身とぞなるねんじぷついざや日頃の念調仏、願う吾等が真心に、此の世はおろか未来迄無限の慈悲を垂れ給うあら有難や観世音、観世音、観世音妊娠中の禁忌は、火事をみると赤あざの子ができるといい、鏡を懐中に入れておくとよいという。また兎の肉を食ぺるとコニツ口」の子ができるという。もちろん葬式等の不幸には黒あ、ざができるといって参加しない。妊婦のいる家の者は葬式のロクシャクはしない。食事はイヵ、タ:1カボチャ、ナスは避け、流産しないよう重い物はもたないようにする。イカ、タコを食べると骨なしの子が生まれるという。出産または予定日が近づくと実家へ行く。出産は初産は実家が一般で、現在は病院である。実家の母親は、綿のかわりに藁を利用した藁布団を用意する(徳島)。いよいよ出産となると、前述の供米を混ぜたご飯を食べ、ろうそくを灯し、その灯りが消えぬ聞に子供が生まれるようにと安産祈願をする。延方では、便所の踏み板を反しておくと安産、便所をきれいにしておく