ブックタイトル潮来町史

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概要

潮来町史

第二節成人への過程子供が一人前までに成長する過程には、すでにその誕生後の一年間誕生からはじまるさまぎまの儀礼や行事がある。主として産部屋あき以後を中心に述ぺることにしよう。子供が無事に成長すればよいが、そうでない家もある。このような家では、墓地にホウの木を立てるとよいとされた(潮来)。また子供が生まれたら、勝ち負けがある、赤児に危険ということで、その年には犬・猫をもらうなともいわれている。徳島では、子供の虫封じのため水原の愛染院に参拝してお札をうけ、親子が住む部屋の中に張る。また夜泣きに困る母親は、地区内に住む特定の老人に依頼してまじないをする。老人は、「猿沢の池のほとりに泣くキツネ、今宵泣いても明日は泣かない」と何回も唱えたという。オクイソメ(お食初め)は、男が一二O日目、女が一一O日目である、「箸ぞろえ」ともいう(大生原)。}のときは、新しい茶碗、箸、赤飯、魚、小石を膳にのせて、食べさせるまねをする。小石は子供の歯が丈夫になるようにという意味がある。食初めの用具一式は嫁の実家が用意す礼るところ(潮来)、オポヤアキのエリイワイのときのオヒネリ(祝金)で揃儀えるところ(延方)もある。小石を用いる儀式をハガタメ(歯固め)といい、生石は神棚へあげておいて、あとで捨てる(延方)。人初正月には、嫁の実家から、男の子の場合「破魔弓」、女の子の場合第2章「羽子板」が贈られ、婚家では一一一日に返礼をする。赤児の成長過程において、乳の出ない母親もいる。現在は粉ミルクから離乳食まで薬局で調達できるが、以前はご飯をやわらかく炊き布でしじ位の子供をもっ母親のところへ貰い乳に行く。ぼり、昧を少しつけた位のオモユが乳のかわりであった。また近所に同になる。四か月をすぎると、果物汁、牛乳、オモユは後はオマジリオジヤに玉子、野菜等を入れて食べさせる。間食に煎餅を小さく割って食べさせることもある。一回目の誕生前に歩いた子には、コロパシ餅(餅ころばし)をする。あ一升餅をまり成長が早いとろくなことがないといってやるのだという。っき、それを新しい風呂敷に包んで越後背負いにし、真中を麻で結んでコロパシ餅〔大賀〕第VI-29図851