ブックタイトル潮来町史
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潮来町史
第六章潮来地方民俗の様相第一節潮来町の民俗と環境民俗とは、文書や記録などにはほとんど記される民俗誌と民俗論となく、農民や漁民といった人びとが、古くから伝承してきた文化のことである。こうした伝承文化は生活のすべてにわたるものである。日本の民俗学では、人びとの生活の対象によって、付社会生活(村のしくみ、家と家族、親族と交際、人生儀礼)、口経済生活(生産組織と労働慣行、稲作と畑作、漁業、交通と交易、衣食住)、臼信仰生活(神社と祭り、民間信仰の諸相、仏教信仰の浸透、年中行事)、岡言語生活(昔話の伝承、伝説、なぞとことわざ、うたと遊び)といったように分類し、さらに細かく分類している(『勝田市史民俗編』)。これは一つの例にすぎず、それぞれ地域、市町村によって、潮来地方民俗の様相その特色を活かそうと努力をしている。ところで、『潮来町史』において、通史のあとに民俗編を付すことが}れを限られた頁数で記すことはきわめて難かしい。-hvヘトEっこま、H017カもし全部の項目を簡単にしたものにすると、総花的で内容がなくなる。また、地域の民俗を表わす場合、前記の諸分類をとって、それぞれの第6章民俗事象をその事実のまま客観的に記す「民俗誌」的方法と、民俗事象をさまざまな角度から研究して叙述する「民俗論」的方法がある。このような点を考慮して、「民俗編」では、五章構成とし、年中行事、人生儀礼、民間信仰、祭礼と芸能、昔話と伝説をとりあげることとした。潮来の町民がもっとも身近な、そして興味をもっている民俗に限定し、まず「民俗誌」としての役割を果したいと考えたからである。もちろん各事例を記し尽せない点で不充分に終っている。さらに、潮来地方の民俗がなぜそうなのかという問題は、かなりひろい視野をもった比較研究をしないと述ぺることができない。そこで、「民俗誌」にあわせて少しく「民俗論」も記す必要があり、それがまた町民の関心事なのではないかと推察し、総括的な意味も含めて設けたのがこの第六章である。本章では、第一章から第五章までを記しながら、念頭においてきた潮来町の地理・地形的な位置と民俗、潮来町の民俗の推移の状況、茨城県の民俗の中での位置についてを主に述ぺることにしたい。}の民俗編に収めた以外の民俗事象も関連する問題となろうが、そこまでの展開はまだ資料が不足である。なお叙述に際し、潮来町域を示す場合を「潮来町」とし、民俗事象が潮来町を含めた近隣地域を示す場合を、「潮来地方」という表現で概念的な区別をしておくことにした。潮来町は、関東地方東端部付近に位置する。また茨環境と民俗事象城県(常陸)の南端部にあって、現在は常陸利根川かつては霞ヶ浦を隔てて千葉県(下総)に接していた。941