ブックタイトル潮来町史

概要

潮来町史

俗一葬式当日ハ大組ハ早朝飯-一テ集合ノ事前日ノ小組ノ手伝モ阜朝飯ニテ集合ノ事民一葬式当日ノ取持一一付イテハ五人組ヨリ実践班長ニ通知スル事VI一方、「部落規約書」には大正十四年三月、一葬式-一関スル件て出棺当日嬬ハ揚カザル事二、香貧返シハ一切廃止スル事、新盆見舞ハ全廃ノ事但シ親類ハ此限リニ非ラズ四、年回忌ヲ執行スル場合ハ念仏連中ノミ招待スル事但組合及洗頭ハ招待セザル事一祝儀ニ関シ出祝儀ニ付嫁婿ハ其ノ席上ニ於テ披露スル事(句)一子供歳暮及節句等ハ一切廃止スル事一嫁及孫ノ土産ノ赤飯ハ一切廃止スル事次に、明治四十四年の『大生原村固定』は、「風俗」の項で次のように記す。部落内組ノ組織ハ古来ヨリ地域-一依リテ劃然区別シアリテ冠婚葬祭皆組内ニ於テ互-一相寄リ相助テ執行スルヲ例トス組内ノ戸数ハ少キハ数戸-一テ多キハ数十戸-一至ル如此ニ組内ノ戸数多キ時ハ更一一十人組五人組等ニ区分シ小組ヲ造リテ以テ交際ノ区域ヲ限定ス是レ多数ノ集合団体ハ一方ニハ自然統一ヲ欠ト同時ニ他方ニハ経済上ノ点ニ於テ至大ノ関係ヲ及ホスヲ以テナリ又交際上慣例一一付テハ冠婚等ノ吉事ニハ主催者ヨリ親族及組内各戸ヲ招待ス被招者ハ金銭文ハ物品ヲ贈リテ後酒食ノ饗ヲ受クルヲ例トス又葬式等凶事-一関シテハ当事者ハ一切関与セス組長-一於テ組内各戸ニ通報シ而シテ集合協議ノ上親族一一通報シEツ諸事ヲ取計フヲ例トス之等吉凶事一一於ケル風習中946従来悪習多ク元費ハ乱用等ノ為経費多端ノ事少ナカラサリシモ近来矯風節約ノ美風漸ク起リ旧慣ヲ打破スルニ至レリそして「経済上改良事項」の中で次のごとく述べている。婚姻養子婿入等ハ男女ヲ問ハス人生一代中ノ最大祝典ナレパ従来ハ狼リニ飲食費-一莫大ノ費用ヲ投シタレトモ以後ハ可成冗費ヲ節約シテ儀式上応分ノ程度マテニ誠額シ其減額予定金ヲ貯金トシ児童将来ノ教育費ニ充用セシメントスまた「社交上改良事項」として、「中元、歳暮、節句等ノ贈答ハ単-一組内ニ止メ他ハ一切書面ノ応答ニ止メシメントス」「婚姻出産ト招客近隣縁者ニ止メテ経費ノ節約ヲ旨トシ徒ラニ放費セシメザルモノトストス」「儀式上ノ改良事項」の中には、葬儀ノ際酒食饗応葬祭ハ人生極ミナキノ悲惨タルニ拘ラズ従来酒食ノ饗応其度ヲ逸シ往々其礼ヲ失スル傾ナキニシモアラザリシガ日進月歩ノ今日漸ク其弊習ヲ除去シタレパ道徳上其礼ヲ欠カザルノ程度ニ於テ経費ヲ節約シ素ヨリ飲食等ハ厳禁シ弔慰者等-一対シテモ懇切丁寧ノ取扱ヲナサシメントス組解祝ノ節約組解祝モ人生中ノ一大祝典ニ属スレトモ成ルペク冗費ヲ節シ近隣縁者間ノ程度-一止メテ祝式ヲ挙ケ以テ節シ得タル費用ハ本人名義ノ下に貯金ヲナサシメ幼時ヨリ勤倹貯蓄ノ美風ヲ酒養セ〉ノt.と記されている。以上の「組内規約書」「部落規約書」「村是」の内容は、なおほかの項目も記されているが、その中でも人生儀礼における七五三祝いの紐解きと葬儀がとくに問題視されている。つまりこの二つの儀礼がもっとも