ブックタイトルうしぼりの文化財 民俗資料編
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うしぼりの文化財 民俗資料編
年中行事家庭や集団において年々くりかえされる周期的な行事や礼式を年中行事という、年中行事のなかには、制度や慣例が固定して周期性をιび、同じ唇日に毎年くつかえすようになったものもあるが、一般に信仰起源、説が有力である。とくに春夏秋不のはっきりした日本のように、天候や動植物の成育にも季節を!さじやすい風土のなかにありしかも長期間にわたって稲作を主体どした生業を営んで主た民族にあっては、稲作の各段階に即応した信仰や儀礼が、年中行事の中心的体系をつくりあけてきたといっても過言ではない。古い時代には稲作を育てることが神事であり、稲の成育段階に即して、そのつど神霊を迎え、秋の豊作を約束してもらい、災害防除をたのみ、収穫の感謝を奉げてきた。そういうプロセスのなかで外来の諸信仰を吸収同化して租霊信仰をつくりあげてきたものである、現在年中行事を考えられている諸行事のなかには、種々の要素、いくつかの系統がいりまじっているが、その根幹をなすものは、どきどき人里をおとずれて神霊の機能としての田の神、水の神などのまつりがある。年中行事にあたる日に変りものをこしらえて食べるのは、本来、おどづれてくる神霊に捧げるものの御馳走でありその日を多〈休み日どしたのは、大切な神まつりの日であるため、静かに僅んでいなければならなかったのである。年中行事は、それをになっている人間の条件によって差異がある。集団の範囲によって家庭の行事、地域の行事、国の行事というような分類の仕方があり、生業の種類によって農漁業や商工業者の年中行事を、それぞれ区別するこどが出来ょう。さらに宗教の違L、が年中行事の内容に及ぼす影響が大きく、宗旨や宗教によって、いくらかの違L寸Jあらわれている。また社会の階層によって、本家筋だけに伝わる行事もある。歴史的には公家、武家、社寺、民間等に分けることみJ出来る或は現行の習俗ど文献認載のものどの、一応してあっかうこどもある。年中行事は、歳事、節、折り目などともいい、個々の年中行事の日には、普段ど遣った生活を送るところから、晴の目、もの目、神ごとの目、節目、あるいは節の日供- 31 -