ブックタイトルふるさと潮来 第一輯
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ふるさと潮来 第一輯
「そち、一人で参るが良かろう:::。だが大事念体ぞ。間違いを起さぬ内Kはやく帰へるがよかろう:::。」はたごやがて大八郎は身軽〈旅宿の表K出た。初夏の風は心よ〈利根の川面を渡って吹いてくる。無雑作げい束ねた大八郎の髪のおくれ毛は、その心よい川風K念ぶそのめられて、園女川のほとPをぶらPと歩いて釆だ。そのめとの潮来の街の前を流れる川を園女川と言う:::。なさカ乙の川は北利制恨のA刀流Kして、来は延方よP浪逆浦K落ちていゐその昔、潮来K大和屋太兵衛と言う妓桜があったoそζK一きわそのめ目立つ園女と言う遊女があった。天女にも優る美女で、声もよ〈、芸Kも秀れ、そして誰れ、彼れの差別もなく、笑顔をもってお客K接し、潮来きつての名妓であった。そして園女を恋ふる客が、大和屋K群れを在したと言うことである。その園女が朝念、タ在、びん水を流したる故K園女川と言われるように在ったという:::。乙の川のほとPKは、軒を並べた畿多の妓楼があって、その軒K下がる灯が川一自に映p輝やき、そして揺れるさざ波K灯影を散らす糊来特有の夜影を幽き出していた。ぷらpと歩〈大八郎の行〈手Kは、いくつかの妓楼の表K、客をベにおしろいこび待つ遊女達が、紅白粉で化粧して、旅の客と見ると寄って来ては鋼をささやいていた。すると、大八郎の姿を見つけた美しい一人の遊女が静かに大八郎げい寄p添って来た。その手K持てる「あやめ」の花を大八郎κ、KとやかK差し出して、独P静かげ作潮来節を唄い始めた。ハザしが心が竹Kもあらば令令取宵は割、(/(三つ箆ち夜て島らの見(/( P 三ぜ神と日たあ見月やるえさ乙なばまのらかよ胸ばP をあわせ給へや今一度:: そして乙の遊女の唄う潮来節を、独p、橋の欄干Kもたれて、聡きほれていた那須大八郎K、しばしの旅K別れて来た故郷の恋人を-64-相川ひ起ζさせたのであろうか:::大八郎は唄ひ終るまでゆらぐ川面の灯影を、じっと眺め入っていた。やがてとの美しき遊女に心を引かれたものか、誘われるまhk大八郎は、島女川を前にして並ぶ妓僚の一軒の階段を上って行った。ポ77乙の様子を橋の扶の白揚の蔭よP見送っていた旅時札μすると、しい風態をした浩い男があった。それは、源氏のお曹子、牛若丸を鞍馬山より脱出させた「草の実党」の一人で、常陸国結城の減主の嫡子、深柚三郎頼重の、世を忍ぶ仮Dの姿であった。傑袖三郎ら、草の笑党の一行は、鞍馬山の火祭Dを利用して牛若丸を綬馬よD脱出させ、金売タ士ロ次K伴われて央洲へ赴〈途中、常陸の五ロが減への連絡を終え、利根川の対岸、佐原の船宿Kある源九