ブックタイトルふるさと潮来 第三輯
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ふるさと潮来 第三輯
ての嫡男の堅い決意を少年義経に伝え、そして変り左き忠節と、源民再興への念願を訴えるがどとき余一の言葉花、義経を始め、並いる面々は互K見合せて、「吾が意を得たり・・・・」と喜び合うのであった。きも「那須どのの御言葉、一同臓に命じてなとうぞ・・・・。Lーそして少年義経はなほも言葉を続けて、「九郎いまのζ の身は流浪左れど、必らずや今一たび、源氏の白旗を擁かせてみましょうぞ・・・・・・。」少年義経の瞳は何にかを求めて止ま左い強い希望K輝き、源家再興の炎が潮来の船宿のいくかのようであった。一室に燃え上ってあたかも少年義経の座っている背の窓辺Kは、の夕陽が赤々と炎え輝いて、障子に映える五彩の色はどこうさながら阿弥陀如来より発する「御光」の如くに、少年義経の姿が見られたのである。「九郎君、那須兄弟に御盃を賜りませ・・・・。」亀井六郎の言葉K義経より那須兄弟K盃が降だり、伊勢の三郎は「得たり」と竹筒の栓を扱いてなみ左み初夏と兄弟の盃K酒がつがれた。「芽出たきか左、芽出たきかな・・・・。」伊勢の三郎が腰を浮かせて一同K酒をつぎ迫るその仕ぐさK、少年義経もにとやかにう左.ついていた。かくして潮来の船宿にないて源九郎義経と那須兄弟ちぎは、将来を契る堅い主従の契りが結ばれたのである。のちに悲哀の英雄とうたわれた源九郎判官義経が平家追討の屋島の合戦にないて、敵と味方が見守る中で、由なめ平家の船上Kるがる「扇の的」の要を射落し、後世Kその名を馳せた那須の余一と、九州地方の「ひえっきに唄い残された弟大八郎の那須兄弟は、すでK水郷潮来の船宿Kないて、節」の五年前、との出陣契り」が堅〈結ぼれていたと言うととは、る事実である。「主従の世に蔭れた七感激の潮来の船宿での一夜が明けて、やがて東の鹿もや島の杜に乳色の朝需が溶け初めるころ、利根のさざ波に旭がこぼれ初め、湖を隔てた下総の丘陵がうっすらと見えてくる。潮来の宿「鯉屋」にある義経一行の六名と、下野へ帰る那須兄弟は、すでK旅装を整えて高瀬船の出航の知らせを待っていた。やがて船頭のふれ歩く太い戸で、「高浜行きの船が出るぞう・・・・・・。」「潮来丸の高瀬が出るぞう・・・・・・。」湖辺Kある幾軒かの船宿に泊って船出を待つ旅人達-87-虎む踏男達尾むを