ブックタイトルふるさと潮来 第四輯

概要

ふるさと潮来 第四輯

山野正亮延方村洲崎区の人考庄太郎の長男、榊原氏に師事す。脳中万巻を蔵し隻峯と号した。明治三十三年四月推されて村長と為り村是を確立し諸政の運営頗る宜しき得て円滑K職責を遂行した。力を殖産興業K効し購買、販売信用組合を設立し自ら組合長として大いK産業の振興を図った。退職後日露戦争勃発するに際し日本赤十字社分区委員として活躍、社員の募集済生岨病の実を挙げ功K依り総裁の宮殿下より勲八等白色桐葉章並K感状木杯を賜はる。大正丙辰の年県会議員K当選次いで県参事会員を歴任茨城憲政会土浦支部幹事として県政のためKも尽庫さる。偶々病を得て現職中K長逝した。西山定次郎延方村名門西山家K生る。考酢兵衛翁は戸長村政時代出納係として曽て令名を馳せた人である。氏は其の嗣子なり。性温和Kして寛大堅実Kして事を誤らず勤倹産を治め善を施すを以て楽しみとした。凶荒ある毎K私倉を開き四隣を賑はした。郡制実施当時衆望を荷い郡会議員当選郡治K鞍掌し且つ種々公職を歴て大いに社会公共K貢献した。明治三十七年選ばれて村長となる。時正K日露戦争の際。内外多事頻繁宏政務の外、出征軍人の留守家族の慰問を始めとし其他血病援護の施設等身を挺して是れK当hy麻姑掻摩の情を以って上下の問K丹走し後顧の憂無からしめ、軍国の為め至伎を効した。後講話成るの日、官は其の功を賞し勲七等K叙し青色鍋葉章を授与さる。幾許も無〈病の為職を辞して悠々自適宿病を養い、晩年を送り有終の美を為した。山野庄之介性豪宕不揖Kして大志あり、若くより東西各方面の政客と相往来して交を結び、其の経繍愈々豊かなるに及んで令三十にして郡会議員K挙げられ次いで議長となり大いK活躍し薪然頭角を顕はすに至った。明治三十七年村長K当選するや才気縦横よく人心を把握し与論を尊重して直ちに之れを政事の上に反映せしめた。又村是実行組合を各区K設けて自治の実を挙げ常に色々の機関とは唇歯輔車の緊密を保ち諸政を運行した。為めK教育K産業に治水K忽ち村の面白は一新し優良村として又模範村として幾度か庭表された。崎博組の間一たび政事を談ずるや卓効風発全く独壇場の感がある。実K村中興の村長として村民より欣慕され在職四期十六年其の治績は村政史上柄として不践であ為。退職K際して役場に石門一基を寄贈し桂冠を記念とした。宮本八十土口忠君愛国の士謹厳にして自ら古武士の風備はる。明治二十七、八年日清戦争Kは砲兵上等兵として従軍し第二軍K属し金州旅順及び太平山等K転戦し、武功妓軍其の功K依り功七級金璃勲章を賜はる。二十八年一等軍曹K進み、三十七年日露の役Kは充員召集K応じて曹長K進級樺太守備軍として出征軍功K依り特務曹長K累進し勲七等青色桐葉章を賜り凱旋の後は在郷軍人分会長として活躍、大いに士気を鼓吹した。明治四十年延方消防組公設さるるや初代組頭K推選され尽すt所大であった。同四十一年延方郵便局開設さるるに当り是叉初代局長K就任郵政一一般の事務K精励された恩人である。其の他村会議員学務委員等各種の公職を歴任敏腕を振るはれた。大正十四年官は氏が各層K於て其の功績額著なるを多とし従七位を贈りて之を賞揚した。郷土史研究会-50ーふるさと潮来編集委員長