ブックタイトルふるさと潮来 第六輯

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概要

ふるさと潮来 第六輯

段々御穿撃成られ候処、共杉私方にて御見山し供。勿論前々にも御山の諸木失せ中し候節。ト人方扇了鵬に山貝人之あり候て、度々此嶋へまいり候様と兼々御聞き、及。はされ候処県〆此度崩顕の上、全く長勝寺の杉には御座無く候、下総にて調へ候と達って争い中すに付、御公儀篠へ御訴へ、同類の御吟味成らる可く候由、御尤至極誤り入り迷惑仕り候。上一ρ村の者の方より買取り巾し候に紛れ御座無く候。之に依り上戸村観音寺様へかけ入り万々御訴訟申すに付、御内々にて御済ませ下され口く仕合に存じ奉り候。勿論、左様の盗み物等買取り申し候段急度御聞き遣し候御公儀様へ仰上げられ候とも、少しよっても御恨みに存じ間敷く候仰而件の如し。扇子嶋杉かい人与惣兵衛享保九年辰の九月利右衛門潮来村長勝寺様平四郎御納処中惣壇中右之通り九月十五日に相済候事快首座理左衛門長左衛門一、右之金、段々のわけ故とらねば罷り成らさる意味を以て取り候へ(おっつけ)ども口所金の様なる物に候へば、当住追付御上京の御心がけに候へば、大金入用に候へども右の用金には少しもまし候ベき事罷り成るまじく候。然れどもむだと遣イすつるもいかがに候。然らば前々より当寺は御勝手の方不足候故、只今迄若僧衆余慶一人も指置かれ候事成りかね候。此金を廻し、台として末々田畑にても取り置キ候はば、後々は、若僧の五人三人指置かれ候とも罷り成る可き物に候。左様致し候はば、只今出しにくき金を出し候者ども菩堤の因縁とも能り成る可く候かと利左衛門申候へば、各々尤にも候はんと同時候事。、然る所、此金長左衛門方にて預り申度しと申し候に付き、証文取り預け候筈に候。利息は、十弐両壱分預り度候由申候に付、六両なれば、利金なしに、一ヶ月弐朱づつにてよく候処、五両= 一分之有り候問、利左衛門、壱分寄進候て六両に致し、長左衛門へ預け候事。辰の九月より一ヶ月弐朱づっ利息を付け候筈。手形は、御寺へ渡す。一、其後、此金ったや与惣右衛門にかし、段々利息たし候。一、金高拾壱両三分弐朱と(享保十二年末の極月迄此金高となる。)一、外に金九両壱分弐朱是は寂首座の金、元金六両、是も午の正月より預り未の極月迄一冗利此の如く成る。ったや預り居り候処、奥州にて寂首座死去いたされ候に付き、長勝寺桐堂金となる。-50一弐口〆金弐拾壱両壱分、享保十二年未の極月迄になる。又古金四両享保十五年戊のくれ寺より入る同壱両右同断、関戸如水より寄進〆五両也、但し此金は、民の秋中大風雨の節、山の松木三十二・三本風折し、梯代金拾壱弐両にも成り候。其内五両も御たし候はば、桐堂金はやくふへ申す可候。御大義に思召し候はば、四両御出し成らる可く候。壱両をば如水たし申候て五両に致す可しと御すすめ申候て寺にでも、其頃御内証御不足に候へども、右の通り申し候てたさせ申候、前度も壱分にたらぬ処には、弐朱三百