ブックタイトル潮来の昔話と伝説

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概要

潮来の昔話と伝説

いをいたしましょう」ことばこの言葉に、甚兵衛は自分の耳をうたがった。国の都で、あのりっぱな名僧たちの必死の雨ごいでもついに雨を降らせることができなかったのに、このト竜が・:。「あんたの言葉はありがたい口でもこの日てんさい照りは天災じゃ。わしはもうあきらめてる」「いや、あきらめではなりませぬ。実はわたしは利根川にすむ竜神です。わたしが祈れば、かならず雨が降ります。早く村の人達に相談して、川岸に高いやぐらを組んでください」そう話すト竜のすがたに、甚兵衛は何か尊いものを感じた。すぐに村長の屋しきに走り、村人達を集めてもらって、ト竜の話を伝えた。その話を開いた村人達はさわぎ出し、口々にト竜をののしったが、甚兵衛のけんめいのせっ