ブックタイトル潮来の昔話と伝説
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潮来の昔話と伝説
だ、よく拝んで地蔵様に願いをかけてみたらよかっぺ」そういうと、干柿顔のおくまばあさんは、大福餅の顔になった。なんとか息子をもと通りにもどしたい。溺れるものは藁をも掴む思いの母親は、杉の木の下のお地蔵様のところへ行き、裸のお地蔵様に赤いずきんを被せ、よだれ掛けをつけてあたりをきれいに掃除してから息子の更生を願い息子がもと通りになったら必ずお礼参りに参りますと、国い誓いのお祈りをした口次の日も次の日も熱心にお願いした。半年たち息子は遊廓へ行かなくなった。穏やかな安定した日々が続くと母親は、いつの間にかお地蔵様のお礼参りを忘れていた。その内に息子はまた潮来へ通うようになってしまった。あわてた母親はお地蔵様にまたお願いにいったが、お地蔵様は、「俺は知らぬよ」とくるりと後向き(北の方) になってしまった。何回前向きに直しても、明日には北向きになってしまうのであった。お約束をして置きながら、お地蔵様のお礼参りを忘れていた私が悪かったと反省した母親は、調を立て、赤いずきんをかぶせ、きれいなよだれ掛けを奉納したD間もなく息子は潮来通いが無くなり、お嫁さんをもらって、平和な生活をした。その後だれいうとなくこのお地蔵さんを「北向き地蔵」と呼ぶようになった。この「北向き地蔵」も土地改良や道路の拡張などいろいろの工事のため今は長勝寺に移されましたが、四季を問わずおまいりに訪れる人も多くあるという。(潮来)nhU9“