ブックタイトル潮来の昔話と伝説

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概要

潮来の昔話と伝説

北日々のこと口八代と潮来の境にチョロリ稲荷というのがあった。このお稲荷さんはずっと昔からそこに杷られていた。今ではにぎやかな町並みの中に立派に杷られているが、そのころは村はずれの淋しい森の中にあった。そのころ、潮来の里には、遊郭もたち並び、港は出船入船でにぎわっていて、夜もたくさんの人が集まってき-43 一ていた。遠く八代の村にも、毎夜お祭のような笛太鼓の音がかすかにきこえできたりしたものだった。八代の村の中には、その音曲に引き寄せられるかのように、潮来の夜の町へ遊びに行く者もいた口ぷ八代の利三郎と静六は、村でもなだいのほうとう者で、ひまさえあれば夜の潮来へと通っていたロその日も利三郎と静六は潮来の料理屋ですっからほうりなげられてしまった。かんになるまで居続け、金がないとなると、金の切れ目は縁の切れ目とばかり、ポイとおもてへ利三郎と静六は悪たいをつき、ほろ酔い気分も手伝って、夜中なのに村へ帰ることにした口八