ブックタイトル潮来の昔話と伝説
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潮来の昔話と伝説
代と潮来をつなぐ道は稲荷の森を通っていた。この稲荷の森は、昼でもうすぐらく、家もなく淋しいところだった。利三郎と静六は稲荷の森のあたりに来ると、酔いもさめてきて、月あかりに見える森をみると、なんとなく夜中に帰ってきたことを後悔しはじめ、酔いざめの寒さとともに、足のヒザ小僧がカタカタするようになってきた口「利、利三郎、な、なんだかおっかねえな」「ゃ、せ、静六、お、おめえ、おっかながっていんのが」ゃい、「そ、そうでねえが、お、おいはぎでも出んでねえかと思ってよ」「ばか、おいはぎが出だって、とられるもんなんかあんめえよ」「そ、そしたら、ゆ、ゅうれいでも:::」「ゆ、ひ、ひとをおどがすようなこというでねえ」ゅうれい。二人はゾゾッとしてきで、おっかなびっくり歩いていた口と、その時、ふわあっと白いものが見えたような気がした。「ヒェl」二人は飛び上がらんばかりにおどろいた。「もし、お二人さん、ああ、びっくりした。なにをおどろいているんですよ」「な、なんだ女でねえけ」「な、なんだ。おめえは」「まあ、よかった。私も心細くて怖くってこまっていたんですよ。私は芸者のおこんというんだけど、後生だから潮来まで送っておくれよ」利三郎と静六は、ふるえながらも、この女がゅうれいでもなく、おいはぎでもなかったのでほっ-44-