ブックタイトル潮来の昔話と伝説
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潮来の昔話と伝説
女の人が消えた話これは終戦後のことで、水原のスボエサキという所へ釣りに行った時のこと。秋のころでマコモや葦が枯れかかっていたのをμ見えている。その日は喰いが悪くて釣り場を何回か変えて、今度も駄目なら諦めて引上げようと思って、スボエサキのヨシ場(葦の生えている場所)を目指して、県道の端へBS(原動機付自転車のような車)を置いてすたすたと入って行った。すると五、六米先のヨシ場で、水の中へ足を浸して洗濯でもしているらしい女の人の後姿が見えた。これはま可aムPDずいな洗濯の邪魔になってはと思って、そこから慌ててBSを止めて置いた方へ引返そうとして、十米ばかり歩いて先程の女の人のいた所を振返ると、影も形もありません。五、六米ばかり進ん一分も経てないのに確かで行ったのですが、ぐるり四方を眺めても私の視界には入って来ない。に洗濯をしていた女の人が忽然と消えてしまったD洗濯をする水音まで確かにこの耳で聞いたのですから、するとあれは狐か狸の仕業だったのだなと思った瞬間、背中に水をかけられたようにと、寒気のする思いであった。(大生原) ぞっとして、どんなにして田の畦を走って出たかわかりませんD今だにあの時のことを思い出す